ニューヘイブン中心部にある、Duncan Hotelについて

2009年10月

私たち夫婦が渡米後に約一週間泊まった、ニューヘイブンのダウンタウンにあるDuncan Hotelについて書きます。

まず、このホテルのウェブサイトはありません。またネット経由の予約もできないので、予約は日本にいるときに国際電話をかけておこないました。

ただし、Yahoo!(.com) Travelにレビューが載っていて、そこに住所や電話番号などの情報もあります。

上記のレビューでも、好きな人と嫌いな人とで評価が分かれているようです。嫌いな理由は、掃除が不完全で清潔じゃないとか、そのあたりでしょうか。そういえば、私たちが泊まった部屋も、やたらと引き出しがありましたが、引き出しの一つを開けてみたらガーメントケースに入ったスーツ的なものが出てきたので、その引き出しは使いませんでした。しかし、それ以外はタオルも毎日変えてくれるし、水回りも古いのは確かですが、すごく不潔だとは私は感じませんでした。

(以下のたんす内にスーツ的なものが入っていました)


(もう1枚室内の写真。ちなみに、アメリカではたまにあるらしいですが、床はまっすぐではなく、なんか傾いていました…)


比較的貧乏旅行に慣れた人なら、設備等が古いのは気にならず、クラシックな建物や古いエレベーター(ホテルの人が常にエレベーター横に待機していて、動かすときは客ではなくその人がエレベーター内のレバーを操作する)などの設備を面白がれるところだと思います。エレベーターの壁には、「You are now riding the oldest hand-operated elevator in Connecticut」と書いた紙が貼ってあります。

しかし、チェーンホテル的な合理性と快適さはやっぱりないと思いますので、そういうものを求める人にはおすすめしません。そういう人はもっとお金を出して別のホテルに泊まるのがいいと思います。ここはニューヘイブンのダウンタウンで一番安いホテルなのですから。私たちは2人で1晩80ドルでした。

このDuncan Hotelのすぐ隣にも、the studyという新しいカッコいいホテルがあります。ここは古い建物で窓の小さいDuncanとは対照的に新しい建物で、表通りから見えるロビーも、私の泊まったDuncanの客室から見える裏の客室も、窓が大きくとってあり中が丸見えです。ロビーが丸見えなのはともかく、欧米人は客室でカーテンを閉めないのはなぜなんでしょうね。プライバシーの感覚が違うんでしょうか? 客室の机も広そうで、ロビーには宿泊客が自由に使えそうなパソコン(それもmac)があったりとか、イエールが近いだけあって学者の滞在に最適化したモダンなホテルという感じです。その他にも、ニューヘイブンのダウンタウンでもっと高い(そしてたぶんもっと快適な)ホテルはほかにあります。

話をDuncanに戻すと、フロントの対応は特に悪くはないです。バスルームには石鹸とタオルしかなく、シャンプーと歯ブラシと歯磨きはなかったのですが、私たちはどうせアパートに移るんだからと、近所のスーパーで調達してきました。歯ブラシと歯磨きは、その後アメリカで別のホテルに泊まってもなかったのですが、日本独自のサービスなんでしょうか…? さらにドライヤーもありませんでしたが、これはフロントに連絡したら持ってきてもらえました。シャワーのお湯は最初ぬるかったのですが、宿泊3日目くらいにやっと蛇口をありえないくらい何度も何度もひねると熱いお湯が出てくることが分かりました。でも水圧は弱めかな。まあ古い設備ですしね。

また、部屋にインターネット接続環境はありませんが、近くにあるイエール大学のゲスト用の無線LANの電波が飛んでいる(パスワードがかかっていないので、セキュリティ的には不安かも)ので、部屋によるかもしれませんがその電波を拾えます。朝食は出ません。朝食を食べられるような客室外のスペースもありません。隣にちょっとしたスーパーのような店があり、朝食のサンドイッチや紅茶は注文すれば作ってもらえます。店内に席はないので、ホテルの部屋で食べることになりますが。そのほか少し歩けば、ダウンタウンなのでカフェなど飲食店はいろいろあります。それから、安いホテルにありがちな、壁が薄くて隣の部屋の騒音や生活音が気になるということもありませんでした。

ここは、40歳以下の人は採用しないのではないかと思うくらい中高年の白人男性ばかりで運営されていました。少なくとも、エレベーター操作担当とフロントはそういう人ばかりでした。一度、部屋掃除の人に会ったらこの人は黒人女性でした。きっと老人ばかりで運営しているから、ホテルのウェブサイトを作ろうとか、部屋から無線LANを使えるようにしようとか、ネット予約できるようにしようという発想がないんだろうな。

笑ったのは、最初にチェックインして、部屋に入って一息ついたところでフロントから電話がかかってきて、夫が取ったら「その部屋にはベッドが1つしかないが、娘と一緒のベッドで大丈夫か」と言われたことです。アジア人は一般に若く見えるといいますが、私がそこまで若く見えるのかというのと、夫がそんな大きい娘がいるような年齢に見えるというのが受けました。その後別のレストランでお酒を飲んでも、夫は何も言われないのに私だけ年齢確認のためIDの提示を求められたりしました。実際には、夫は同世代です。

(廊下にはU.S.Mailと書いてある手紙投函用ポスト?があります。この写真は3階なので、1階まで管が通っていてフロントで集めたりできるのかな。今はもう使われてないのでしょう)


ロビーは、歴史あるホテルだけあってクラシックで素敵です。ロビーからドアが開いていて別の部屋につながっていて、その部屋の壁には写真や手紙がたくさん貼ってあるんだけど、その中にジョン・ F・ケネディの書いた手紙というのがありました。このホテル宛てではないけれど。lonely planet(New England版)にはこのホテルの壁にジョディ・フォスター(イエール大学卒業)のサインもあると書いてありましたが、見つけられませんでした。




(フロント横に貼ってあった写真。この近辺の飲食店などにありがちですが、イエール大学生の古い写真を飾っています。この写真ではYロゴの入ったセーターを着ています)


ただし、私たちが泊まったのは9月下旬~10月上旬だったので、朝など徐々にの気温が下がっていったといっても、まだまだ暖かでした。Duncan Hotelにあった暖房っぽいものは、古い西洋建築にありがちなくねくねした鉄パイプにお湯を通して部屋を暖める的なものしかなかったせいか、朝起きるときは寒い日もありました。冬にあのホテルに泊まりたい人は要注意かもしれません。

(外観。地下はタイ料理屋さんになっています。ニューヘイブン中心部はなぜかタイ料理店が多いです)


Lonely PlanetのNew England版では、このホテルを 「19世紀風」と紹介し、上記で紹介した手動式のエレベーターなどを紹介しています。

2020年9月追記

このページを移行する際に調べてみたところ、Duncan Hotelは売却され、Graduate New Havenというホテルとして生まれ変わったのだそうです.

公式サイトを見る限り、古い建物の良さを生かしておしゃれにリニューアルしているようです。コロナ禍ですががんばってほしいものです。またニューヘイブンに行く機会があったら(なかなかなさそうですが)泊まってみたいなあ…。

このサイトと管理者について

yucoの個人サイトです。既婚で子ども2人。岐阜県出身で現在は東京在住。短期間ですがアメリカにも住んでいました。1998年から個人サイトを運営し、10年以上にわたってレンタルサーバにブログツールをインストールしてブログを書き、あちこちの新しいネットサービスを試したりしていました。現在はおもにTwitterとたまに長文テキストを書きたいときはNoteを使っています。


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